思考メモ
- 作者: 中谷美紀
- 出版社/メーカー: ぴあ
- 発売日: 2006/05/10
- メディア: 単行本
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嫌われ松子の一生を見た。松子の一生が果たして不幸だったか、どうかという点について。
子供の頃夢に描いたことは、何一つとして叶わない松子。人生は期待はずれの連続。人間不信のため、自部屋に引きこもり、ごみに埋もれた部屋で孤独のうちに殺害される。
仮にすべての物事が自分の思い通りなったとして、果たしてそれは幸せと呼べるのか? そこに待っているのは退屈である。権力を思うがままに振るったルイ?世は、自身に多くの規律を課した問題。
松子の人生は、恋人の死や、ヒモを殺害すうなど、思いもよらぬ形で、唐突に何度となく終わる。ハッピーエンドへの期待とかではなく、世の中に起こるすべての現象が自分の意図を超越して訪れる。そのことが、あらゆる状況のもとで救いとなる可能性を提示する。
まとまらず。賢者の言葉を引用して終了。
われわれの人生の場景は粗いモザイクの絵に似ている。
この絵を美しいと見るためには、それから遠く離れている必要がある。
間近にいてはそれは何の印象も与えない。
―ショーペンハウエル著「自殺について」―